診療内容
メンテナンス
メンテナンスの重要性
虫歯や歯周病にかからないようにするには、“メンテナンス”が大切です。
「メンテナンスとはなんですか?」「定期検診とどこが違うのですか?」と聞かれることがよくあります。従来、日本で行われていた“定期検診”は、悪いところを見つけて治そうという旧来型の治療法です。
メンテナンスは、 定期検診とは違い、お口の中の健康を回復したあと、再び虫歯や歯周病にかからないようにするために行う“予防的な治療” のことなのです。
同時に、歯のクリーニングも行っていきますので、気持ちのいい、きれいな歯で毎日過ごすことができます。
メンテナンスには、ふたとおりの処置が必要です
ひとつは“セルフケア”。これは患者様自身が正しい方法で歯磨きをして、毎日ケアをすることです。
もうひとつは、“プロフェッショナルケア”。これは、私たち歯科医師、歯科衛生士が行うケアです。
患者様ひとりひとりのお口の中の状態に合わせて、治療内容や治療間隔、期間を設定(作成)します。
3~4か月ごとに、歯周ポケット内外のプラーク(歯垢)や歯石を取り除き、フッ素などを塗布して歯を強化し、細菌の数を減らす処置をします。
虫歯と歯周病の予防効果
これまで日本の歯科治療では、痛みなどの症状を取り除くことが主体でした。
ところが、早くから、このメンテナンスに取り組んだスウェーデンでは、1995年の調査で、18歳で平均虫歯ゼロを達成したのです。
ほかにも、“メンテナンス”と通常の年1回の“定期検診”を比較した実験が、スウェーデンで行われています。
この実験結果によると、年1回定期検査を行っていた人は、6年間で平均14本の虫歯ができたのに対して、メンテナンス を行っていた人は、15年間でできた虫歯は平均1本でした。
また、定期検診を行っていた人は、6年間で歯周病が平均10%進行したのに対して、メンテナンスを行った人は、 15年間進行が認められなかったという報告もあります。
当院でも、早くからメンテナンスを行ってきました。現在多くの患者様がメンテナンス を受けていますが、20年以上にわたるメンテナンス中、虫歯発生、歯周病の進行はほとんどありませんでした。
歯周病の進行による歯の損失もほとんどありません。スウエーデンと同様の結果が出ています。
これからの歯科治療は、お口の中を健康な状態に戻したら、その健康を維持するためのケアをきちんと行うことが大切です。そうすることで、一生自分の歯でかむことができるのです。
当院のメンテナンス内容
ポリッシング
歯の表面を機械でていねいに磨きます(ポリッシング)。
患者さまに合ったペーストで磨くことで、食べ物などによる、くすみや色素沈着を取り除き、歯の表面につやが出ます。
虫歯のチェック
患者様本人ではわからない小さな虫歯をチェックします。
滅菌フッ素と虫歯を抑制する薬を混ぜたものをブラシで歯に塗布して、虫歯と歯周病の細菌数を減少させ、歯を強化します。
定期検診
1~6か月に1回、定期検診を行います。定期検診では、レントゲン撮影と歯周ポケットの測定をして、虫歯と歯周病をチェックします。
80歳で歯20本を目標に!
1981年、WHO(世界保健機関)とFDI(世界歯科医師会)が歯のない人を減らす目標を掲げ、それを受けて日本でも、 1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が“8020運動”を提唱しました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、健康な人は28本の歯がありますが、“8020運動”とは、「80歳で自分の歯を 20本残そう」という運動です。
ところが、1999年の日本の調査では、日本人60~64歳で残っている歯はすでにひとり平均20本なのです。そして、80歳に なると、20本の歯をもつ日本人は、6人にひとりで、80~84歳で残っている歯の平均はたったの7.4本という報告でした。
「80歳で20本」は遠い道のりです。でも、メンテナンスを行っていけば、これは不可能ではないのです。「一生自分の歯でかむ」生活ができるのです。